夏目猫「吾輩は猫である」ARAREデザインアート　缶バッチ

夏目猫「吾輩は猫である」ARAREデザインアート　缶バッチ　文豪猫シリーズ

文豪猫をモチーフにデザインする、ARARE作品。夏目漱石「吾輩は猫である」からイメージした文豪猫Tシャツです。青い目と椅子の緑色のコントラストが印象的。イギリズ帰りの文豪猫の背広の仕立てがいい。
漱石の左腕をご覧ください。
腕に 黒い腕章が巻かれています。 これは、夏目漱石先生の撮影日が1912（大正元）年9月19日、明治天皇の大葬日の6日後のためです。 着用したこのスーツは、内田百閒が貰いうけ、長らく愛用しました。

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。
　どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶だ。その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうも咽せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った」
夏目漱石「吾輩は猫である」より